2020年04月15日

善く戦う者は、之れを勢に求め

◆勢篇では、兵士の個人的勇気に頼って勝とうとするのではなく

 戦闘に突入する軍全体の勢いによって勝利すべきことを説いて

 います。この勢篇は、マネジメントに近いものがあります。

 組織への貢献をどのようにするかは、学校ではほとんど学ぶ

 機会がありません。しかしこれからの社会は、組織社会ですので

 このことがとても重要になります。

   善く戦う者は、之れを勢に求め

   ★動画deブログ解説は、ここから★


 勢篇では、次の6つが書かれています。

  18.衆を治むること寡を治むるが如く

  19.戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ

  20.善く戦う者は、其の勢は険にして

  21.紛紛紜紜、闘乱するも乱る可からず

  22.善く敵を動かす者は

  23.善く戦う者は、之れを勢に求め


 著者の浅野先生は、次のように解説をしてくれています。

 『世の将軍にとって。天下の精鋭を率いて戦うことは、

  変わらぬ夢であろう。だが孫子の時代、兵士の大半

  は徴兵された農民
であった。当然のことながら、全く

  の素人である彼らの戦意は乏しく、戦闘技量もまた

  未熟
であった。』

 この言葉を研修会でよく伝えます。特に戦意が乏しいという点

 です。決して従業員が悪いということではありません。

 経営者という立場と従業員の立場では、必ずこういう深い溝が

 あります。社長であっても、雇われた立場になれば同じように

 なってしまいます。

 孫子もそうですが、大村益次郎も同じ状況で、普通の人を使って

 勝つしかなかった
のです。考えてみれば、有能な人間より普通の

 人間の方が圧倒的に多い訳ですから、普通の人でも勝てるように

 しなければならないということです。

 ですから、従業員個人の力に業績を求めること自体、問題が

 ある
のです。普通の人が、勇敢に戦えるようにする術が、

 この勢の考え方なのだです。

 ダメな上司ほど、部下の悪口を言ってもっといい人を採って

 くれなどと言ってくるものです。自分が優秀なら、部下の能力

 を活かすことが出来るはずです。悪いのは部下ではなくて上司

 自身の方です。
この勢篇は、現代の組織にとってとても重要な

 ことを伝えてくれています。

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posted by ランチェスター戦略・社長塾塾長 at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 孫子の兵法
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