資金繰りを良くする正しい手順 [Vol 220]
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016/03/24━■□■
目次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.経営計画書の売上数字は意味がない
2.資金繰りが厳しいことと銀行交渉とは無関係
3.資金繰り対策の本質
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1.経営計画書の売上数字は意味がない
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経営計画書を作るセミナーに参加したり、本を読んだりすると
毎月の売り上げ目標とか、1年の目標金額を記述するものが多く
見受けられます。ほとんどではないでしょうか?
固定費を算出してそれにどれだけの利益が必要かを加算すれば
自動的に答えは出てきます。
こういうのは、単なる売上予測にしか過ぎません。この数字を
各部に割り当てようが、個人に割り当てようが単なる数合わせで
しかないのです。
大切なのはその中身なのです。
中身というのは、競争相手と比較して勝っているか負けているか
です。つまり業界平均と比べなければなりません。
もう一つは、売上ではなく粗利益を比較することです。それも1人
当りです。
売上は規模を表します。10億より20億の方が一見よさそうに
感じられます。しかし売上規模と会社の経営システムの善し悪し
とは、相関関係はありません。
売上規模で判断するのは、全く意味がないのです。
比較するなら粗利益です。粗利益は一旦会社に入ってくるお金
ですので、仕事の価値を表します。
さらにそれを何人で達成しているかによって、その効率は変わ
ります。
まず一人当たり粗利益額が、中小企業の黒字平均に達している
かを比較してみてください。
粗利益が低い状態で、いくら経費を節約しても利益(営業利益)は
高くなりませんし、資金繰りも厳しいものになります。
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2.資金繰りが厳しいことと銀行交渉とは無関係
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資金繰りが厳しきなると銀行さんにお願いすることになります。
そうなると銀行交渉というのが気になる社長さんもおみえに
なると思います。
確かに、中小企業は潤沢に資金がある訳ではないので、銀行さん
との付き合い方は大切です。しかしそれと資金繰りの善し悪し
とは相関関係がありません。
むしろ資金繰りが良いところほど、銀行さんも安心して付き合って
くれるという風に考えた方が健全だと思います。
資金繰りは、次の要素で決まってきます。
1.自己資本比率
2.自己資本額
3.固定比率
あと強いて言えば、長期借入と短期借入の比率です。
社長が資金繰りが気になり、お金のことで振り回されると会社の
パワーがそがれることになりますので、資金繰りに頭を使わなくて
よいようにするのが重要な対策です。
業績の98%は、社長で決まる訳ですので当たり前です。
そのためには、上に3つの数字は重要な要素になります。
自己資本比率は、自己資本と他人資本の比率になります。この比率
が50%であれば自社のお金と銀行のお金がフィフティーフィフテ
ィーですので、この比率が高いほど借入のことを考えなくて済みます。
もう一つは、その自己資本の額です。量ですね。
比率は100%でも、100万円しかなければ何かしようと思っても
投資できないわけです。
これを少なくとも業界平均まで高めることです。
3つ目の固定比率ですが、これは土地、建物、車など直ぐに現金化
出来ない固定資産が自己資本額に比べて多いか少ないかです。
固定資産が多いとそれだけ資金繰りは厳しきなります。
安全な度合いは、業種によって変わりますが2倍までに抑えること
です。
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3.資金繰り対策の本質
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結局のところ資金繰りを良くするには、自己資本額を高くする
というのが最も効果的です。
自己資本額を増やすには、純利益を残すことです。節税と称して
経費を使うと一見得をしたように感じられますが、長い目で見ると
資金繰りを苦しくしているのです。
私も人のことは言えませんが、純利益を少なくするような節税対策
をしてしまっています。
社長の給与を高くして、個人資産を増やし保証人になるという方法
もあるのはありますが、今回はこの方法は別とします。
こう考えてくると次のような状況にしなければならないという
ことになります。
節税してもしきれないぐらいの粗利益を上げることです。
そうなるまで待っていたら、どうにもならなくなったということに
ならないためには、上記3つに比率の目標を決めることです。
例えば自己資本額の場合、私の業界は一人当たり400万円が
黒字の平均です。さらにそのまた1.5倍を目標にすると一人当
たり600万円です。
現在一人当たり300万円だとすると黒字平均まで100万円です。
従業員数が10人なら1000万円の純利益を上げると黒字の平均
に到達します。これが利益目標です。
1000万円の純利益を上げるのに、何年計画でそこまで到達する
かを決めれば今年の利益目標が設定できます。
利益目標に固定費を加えると粗利益目標が設定され、売り上げ目標に
繋がっていくのです。
こうすれば、競争相手に勝つための売上目標が設定されるのです。
この粗利益額の目標は、資金調達にも繋がってきます。
次は資金の配分ですが、これについては次回お伝えしたいと思います。
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◆ 次回の配信予定は4月14日予定です。 ◆