2024年08月08日

ランチェスターの法則は戦争。だから経営には使えない

◆昨日マネジメント育成協会の定例研修会が開催されました。

 テーマは『ランチェスターの法則』です。

 教材の制作者竹田陽一先生の言葉を借りるとハードの部分

 と言っています。この考えを前提に経営に展開していく

 という学問でいうと公理の部分にあたります。

 ですから、それをそのまま実際の経営に使うことには

 無理があります。そもそもランチェスターの法則は、特定

 二者間の戦いについて
のことです。こういうことを伝えると

 余計にこんがらがるかもしせませんね。

 とにもかくにも、そのままの言葉では経営に応用することは

 できないということを頭においてください。

 だからと言って役に立たないというのも早計です。

 もちろん研究する必要がないということにもなりません。

 ソフトバンクはじめ名だたる企業がこれで成功いるからです。

     ランチェスターの法則は戦争。だから経営には使えない

   ★動画deプログ解説はここから★

  

 われわれマネジメントは知識労働をしています。知識労働とは

 既知の知識を使って、成果をあげるために新しい知識を作りだす

 ことです。学校の教育とは大きく異なります。

 知りえた知識をそのまま使えるのは、世の中では検定試験ぐらいです。

 では、どう考えればよいのか?

 私は次のように考えてきました。

 企業間競争って本当にあるのでしょうか?

 A社、B社が競い合って業界でいくらすごいからと言って、

 お客さんが買わなかったらなんの価値もありません。

 今はなき、ビデオデッキのVHSとベータの争いは何だったんで

 しょうか?

 このことから企業間で競争しても意味がないと私は考えました。

 なのに実際は競争にさらされている場面は多く見受けられます。

 その最たるものが、相見積もりというものです。

 同じ人が全く同じもので値段の違うものを持ってきたら皆さんは

 価格の高いもの、安いものどちらを買うでしょうか。

 100人中100人が安い方ではないでしょうか?

 双方とも縁もゆかりも同じ会社から、価格の違う見積もりの

 場合も同じだと思います。

 こうしてお客さんは価格による価値選考を行い、会社側、特に

 営業マンは競争相手に勝ったとか負けたという表現をします。

 戦争と違うところは、お客さんの価値選考によって優劣がつくと

 いうことです。比較するものがなかったら、そこに戦いは起こり

 ません。

 次のことを伝える前の大前提があります。優勢か劣勢かお客さんの

 数で決まるという前提です。
 
 ランチェスターの市場占有率の強者と弱者の区分によると、1000社中

 995社は弱者つまり劣勢となります。

 上記の相見積もりでいうとガチンコ値段勝負をすれば負けるという

 ことです。競争のテーブル、価値選考のテーブルに乗ると負けます。

 つまり劣勢企業が生き残る術は、競争に乗らないようにすることです。

 しかし経済社会で何も手を打たなければ、同じ基準で価値選考は行われます。

 本来競うべきことは、お客さんの価値選考に合致するようにわれわれが努力

 することです。お客さんが望んでいることを相手より先に見つけ、満たした

 すことです。

 お客さんの価値選考基準が何かと探り当てることが健全な競争だと私は

 思います。それによって、いまだ満たされていない社会のニーズに応えら

 れるからです。
そのような業界は繁栄を続けることでしょう。

 経営に応用すると明らかに、二国間の戦争とは違うということを

 少しは分かってもらえたのではないかと思います。

 言葉足らずのところは動画で補足したいと思います。 

   <<ライブde解説は8月11日チャンネルはここから>>

posted by ランチェスター戦略・社長塾塾長 at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | マネジメント育成協会