ことでしょう。
『強みを機会にマッチさせる』というのは、至極当然のことで
われわれ凡人でも納得できることです。納得できたからと
言って、実行できることとは別と考えるところが凡人の
証だと思います。
しかしドラッカー先生は、それほど簡単に片付けてはいません。
私たちは、市場機会というと何か物やサービスがヒットしそうな
ところを想像してしまいますが、そうではなさそうです。

すでに起こったことは、先人の人たちが考え、実現してきたこと
であり、それは過去の市場なのです。
過去の市場に自社の強みを当てても、その市場で勝てることは
ありません。20世紀のビジネスモデルは、これで多少なりとも
業績は上がったかもしれませんが、21世紀はどういうわけには
行きません。二匹目のドジョウは現れないのです。
実は20世紀でも本当に成功している人は、二匹目のドジョウを
狙っていたわけではありません。
例えば、フォードを逆転したGMがそうでした。スローンがGMを
引き継いだときは、フォードは市場の60%を占有していました。
方やGMは、12%。しかも8車種のうち2車種だけが黒字という
状況です。
この状態から逆転したスローンは、フォードと同じことをしません
でした。市場を見て、市場がどのように考えるかに合わせて自社の
強みが最大限活かされるように組織を改革していったのです。
私たちは強みというと、自分のことを振り返ってみてできそうなもの
を探し出します。そしてそれが強みだと勘違いして、努力を重ねて
しまうのです。自分が強みだと思っていても、市場からすれば
全く必要だと感じないこともあります。さらにもっと良い方法が
あることをお客さんは知っています。
命の次に大切だと思っている自分のお金を使う訳ですから、
自分が本当に納得できるものを探し出そうとしてます。
しかし提供側は、売れればさえよいという安易な考えでいます。
では市場を見つけるには、どうすればよいでしょうか?
市場は、社会の変化によって生まれてきます。
したがって、市場を見つけ出すには、すでに社会で起こったこと
を観察し、そのことが自社にとってどういう機会をもたらすか
を考えることです。
ドラッカー先生は、5つのことは必ず調べるようヒントを与えて
くれています。その中の一つは、人口構造の変化です。
このような内容が著書『創造する経営者』に書かれています。
今日の経営の哲学からの名言は
『すでに起こったことは何かの問いに対する答えが、
企業や産業にとっての可能性を明らかにする。
この可能性を現実へと転化するには、自らの
強みを機会にマッチさせることが必要となる』
未来への決断より
日曜11時ライブde解説にて、一緒に学びましょう。
<<ライブde解説は1月29日チャンネルはここから>>
★戦略実力を高める戦略社長塾(59期生)募集中★
2023年2月3日スタート
↓ ↓ ↓

その2 その3 その4